「コンサルに転職したら年収が上がる」というイメージがある。だが転職時点で年収が上がるケースはそれほど多くない。年収が上がる人と上がらない人の差は、転職のタイミングではなく入社後の動き方にある。

採用責任者として実際に社員の成長を見てきた立場から、年収が上がる人の特徴と、正しい年収交渉の方法を解説する。

転職時に年収が上がるケースは少ない

まず前提として、コンサルへの転職時点で年収が大幅に上がるケースはあまり多くない。特に未経験でのチャレンジであれば、前職と同水準かそれ以下になることも珍しくない。

ただし、入社後に活躍した人の話は別だ。実際に1年で200万円以上年収が上がった社員を見てきた。コンサルは成果に応じた報酬設計がされていることが多く、活躍すれば短期間で大きく伸びる構造がある。

入社後に年収が急上昇する人の共通点

採用時点から「この人は伸びる」と感じる人には、共通した特徴がある。

腹を括って、絶対に活躍してやるという気概が言動から伝わってくる人だ。

気概は言葉だけでは伝わらない。これまでの行動の積み重ねと、面接での発言の一貫性から滲み出てくる。「頑張ります」という言葉は誰でも言える。過去に本当に追い込まれた経験があり、そこで踏ん張ってきた人間かどうかは、話を聞けばわかる。

気概があり、かつそれを裏付ける行動をしてきた人間は、入社後も同じように動く。採用側にはそのイメージが持てる。

年収が上がらない人のパターン

入社後に年収が思ったように上がらない人もいる。ただしこれは一概に本人の問題とは言えない部分もある。

コンサルの年収はプロジェクト次第という側面が大きい。どの案件に入るかによって、経験できること・評価されやすさが変わってくる。運の要素が否定できない。

ただし長い目で見ると、コンサルで踏ん張り続けた人は必ず伸びていく。短期で見て焦るより、自分の成長に集中することが結果的に年収に直結する。

年収交渉は「やり方」が全て

転職時の年収交渉は、正直あまりおすすめしない。理由は採用側に「テイカー気質」と思われるリスクがあるからだ。

「頑張ったら年収を上げてください」は理解できる。だが「頑張るから年収を上げてください」は話が逆だ。まだ何も証明していない段階で条件を先に引き出そうとする姿勢は、採用側から見て印象が良くない。

それでも交渉するなら、正しいやり方がある。

「他社も選考が進んでいて、○○万円程度のオファーが出る可能性があります。御社への志望度が高いので、同水準でご検討いただけないでしょうか」

このように、他社の状況を根拠にした交渉であれば採用側も納得しやすい。さらに他社からのオファーレターを提示できると、交渉の信用度が大きく上がる。感情ではなく事実に基づいた交渉が、年収交渉の正しいやり方だ。

まとめ

  • 転職時点での年収アップは期待しすぎない。年収が上がるのは入社後の活躍次第
  • 伸びる人の共通点は腹を括った気概と、それを裏付ける行動の積み重ね
  • 年収が伸び悩む時期はプロジェクト次第の部分もある。長期で見れば踏ん張った人は必ず伸びる
  • 年収交渉は他社オファーを根拠にした事実ベースの交渉が正しいやり方
  • 「頑張るから上げてください」はテイカー気質と見られるリスクがある

年収は結果だ。入社後に何をどれだけやるかが、数年後の年収を決める。転職時の条件より、入社後にどう動くかを考えることに時間を使ったほうがいい。