自己PRは多くの候補者が準備してくる。だが採用側から見ると、準備してきたことは伝わっても「この人に会いたい」とはならないケースが大半だ。
採用責任者として面接で自己PRを聞き続けてきた立場から、何を見ているか・何がNGかを正直に話す。
採用側が自己PRで見ていること
自己PRで採用側が見ているのは2つだ。
自分という商品をどうアピールして、どう貢献できるかを経歴を踏まえて会話できているか。
そして具体と抽象を行き来して話せるかどうか。
コンサルの仕事は抽象的な課題を具体に落とし、具体の事実から抽象的な示唆を引き出す作業の繰り返しだ。自己PRの中でその思考が見えるかどうかを採用側は無意識に確認している。
よくあるNGパターン
最も多いNGは自分の経歴をただ話すだけの人だ。
商品販売でただ機能を羅列するだけの営業マンと同じだ。「私はこういう経験をしてきました」という説明に終始して、それが相手企業にとってどう価値になるかが一切語られない。採用側には「で、うちに入って何ができるの?」という疑問だけが残る。
もう一つのNGはやたら長い自己PRだ。
長い自己PRは言い訳がましく聞こえることが多い。聞いていないことまで伝えようとして、結局「何が言いたいのか」がわからなくなる。長さは熱意の証明にはならない。
長さと構成の評価基準
自己PRは1〜2分で端的に話せるかどうかを意識している。
これはコンサルの仕事に直結する。クライアントへの報告・上司への相談・チームへの共有——すべて「短く・明確に・要点を伝える」ことが求められる。自己PRの段階でそれができているかどうかは、コンサル適性のバロメーターだ。
構成はシンプルでいい。
- 自分の強みを一言で言う(結論)
- それを裏付ける経歴・経験を話す(根拠)
- それが入社後にどう活きるかを話す(貢献)
この3点が1〜2分に収まっていれば十分だ。
準備するときにやるべきこと
自己PRの準備で最初にやるべきは自分を知ることだ。
キャリアの棚卸しと、強み・弱みの棚卸しを一度やっておく。これをやっていない人の自己PRは、どこかふわっとしている。「自分はこういう人間だ」という軸が定まっていないまま言葉を並べているから、聞いていて芯がない。
一度立ち止まって自分を整理する時間を取ること。その作業が自己PRの質を根本から変える。
まとめ
- 採用側が見るのは「自分という商品がどう貢献できるか」を経歴で語れるか
- 具体と抽象を行き来できるかどうかも評価対象
- 経歴の羅列はNG。相手への貢献まで語って初めて自己PRになる
- 長さは1〜2分が基準。長いほど評価が下がる
- 準備の起点は自分の強み・弱みの棚卸し
自己PRは自分の話をする場ではなく、相手に「この人が欲しい」と思わせる場だ。その意識の有無が、同じ経歴を持つ候補者の間で評価を分ける。